なぜ日本企業は今もハワイの一等地を所有し続けるのか 〜ホテルではなく「土地」に投資するという考え方 その1〜

ハワイのラグジュアリーホテル市場で確固たる存在感を示しています


1. バブル崩壊を乗り越え、ハワイの一等地を守り続ける日本企業

ハワイ旅行でワイキキを歩いていると、ロイヤルハワイアン、シェラトンワイキキ、モアナサーフライダー、ハレクラニなど、誰もが一度は耳にしたことのあるホテルが並んでいます。 多くの方は「海外のホテルチェーンが所有している」と思われるかもしれませんが、実は現在でも日本企業が深く関わるホテルが数多くあります。 ハワイ好きの方でも、この事実をご存じない方は意外と多いのではないでしょうか。 1980年代、日本は空前のバブル景気に沸き、多くの企業が海外投資を積極的に進めました。

その中でも、特に人気を集めた投資先がハワイです。 当時は「日本企業がハワイを買っている」と報じられるほど、多くのホテル、商業施設、ゴルフ場、リゾート開発に日本企業が参入しました。 しかし1990年代にバブルが崩壊すると状況は一変します。 多くの企業は保有資産を売却し、かつて日本企業が所有していたホテルの多くは、アメリカ企業や世界的なホテルチェーンへと所有者が変わりました。

それでも現在まで保有を続けている日本企業があります。 代表的なのが西武グループです。 プリンスワイキキをはじめ、ハワイ島のマウナケアビーチホテルやウェスティン・ハプナビーチリゾートなど、世界的にも評価の高いリゾートを長年所有しています。 また、三井不動産グループはハレクラニとハレプナ・ワイキキを展開し、ハワイのラグジュアリーホテル市場で確固たる存在感を示しています。 さらに国際興業グループの京やは、シェラトンワイキキ、ロイヤルハワイアン、モアナサーフライダーなど、ワイキキを代表するホテルの不動産オーナーとして知られています。

2. ホテル経営の枠を超えた「唯一無二の土地」への投資価値

ここで注目したいのは、これらの企業が「ホテル経営」を目的としているだけではないということです。 本当に価値を見ているのは、ホテルが建っている土地です。 ワイキキビーチの正面やアラモアナ周辺などの一等地は、今後新たに大規模な土地が供給される可能性が極めて低いエリアです。

つまり、建物は建て替えることができても、その立地そのものは二度と手に入りません。 不動産業界ではよく「土地は唯一無二の商品」と言われます。 特にハワイでは、その言葉が非常によく当てはまります。 島という地理的な制約があるため、新しい土地が増えることはありません。 だからこそ、世界中の投資家がハワイの一等地を求め続けているのです。

3. 「良い場所を長く持つ」という長期投資の基本姿勢

日本国内でも、東京・銀座や丸の内、一番町などの一等地は長期的に価値が維持されやすいと言われています。 ハワイも同じ考え方です。 短期的な景気や観光客数の増減に左右されることはあっても、「立地の価値」は変わらないという考え方が、多くの日本企業の長期保有につながっています。 最近では、日本人によるハワイへの投資も再び増えています。 コンドミニアムを購入する方、ホテルコンドに投資する方、商業不動産に興味を持つ方など、目的はさまざまです。

そのような中で、私が参考になると思うのは、日本企業が40年以上にわたりハワイで続けてきた投資姿勢です。 共通しているのは、「良い場所を、できるだけ長く持つ」というシンプルな考え方です。 短期間で利益を得ることだけを目的とするのではなく、将来にわたって価値が維持される資産を保有する。 その積み重ねが、現在も日本企業がハワイの一等地を所有し続けている理由なのだと思います。

4. 市場に出ない超優良物件の見極め方と次回への展望

私自身、ハワイで事業を行い、多くの不動産やM&A案件に携わる中で感じることがあります。 それは、「本当に良い物件」は、市場に出る機会が非常に少ないということです。 そして、そのような物件は価格だけで判断されるものではありません。 立地、将来性、周辺環境、希少性など、さまざまな要素を総合的に見て初めて、その価値が分かります。 もし将来ハワイで不動産投資を考える機会があれば、ぜひホテルのブランドや建物だけでなく、「その土地にはどんな価値があるのか」という視点でも見てみてください。 きっと、これまでとは違ったハワイの魅力が見えてくるはずです。 ハワイの一等地を何十年にもわたって守り続けてきた日本企業の姿勢は、海外不動産投資だけではなく、日本国内の不動産投資にも通じる大切なヒントを与えてくれます。

次回は、「ハワイのホテル王」ともいえる京やグループを取り上げ、なぜ一企業がワイキキを代表するホテル群を所有し続けているのか、その歴史と戦略をご紹介したいと思います。

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