【注目プロジェクト】ホノルルに“手が届く”コンドミニアム「Kuilei Place」始動!その裏で起きたリアルとは?

ハワイ投資やハワイM&Aを検討する方にとって、
知っておくべきリアルな現地事情

アロハ!ハワイビジネス情報館の編集部です。
今回は、今ホノルルで話題の大型コンドミニアム開発「Kuilei Place(クイレイ・プレイス)」についてご紹介します。

モイリイリ地区に誕生する1,000戸超の住宅プロジェクトとして注目を集める一方、住民の退去問題など複雑な背景も抱えたこの案件。
ハワイ投資やハワイM&Aを検討する方にとって、知っておくべきリアルな現地事情をまとめました。

2025年4月、州知事や市長、議員らが集まり行われた地鎮祭。
そこに立ったのは、クイレイ・プレイスという43階建ての高層コンドミニアム計画です。

全1,005戸のうち、603戸が「アフォーダブル(手の届く)住宅」として提供予定。
対象となるのは、地域の中間所得層(80〜140%のAMI=エリア中央値所得)で、例えば1人世帯なら年収7.7万〜11.7万ドルの層を想定しています。

注目すべきはその価格設定。

すでに約85%のユニットが販売済みで、地元住民を中心に購入が進んでいます。
プロジェクトの担当者によると、「元の住民のうち1名がこの新築物件を購入できた」とのこと。

しかし、このプロジェクトの裏では、かつてこの地にあった「Kapiolani Village Apartments」からの住民退去問題が発生しました。

当時の住民約130世帯が「高層化・再開発」の名のもとに立ち退きを求められ、
「Kuilei go away」「Protect Hawaii’s tenants」などのプラカードを掲げて市議会に抗議した様子が報道されています。

住民代表の一人は「2回給料が遅れたら路上生活になる、それがホノルルの労働者の現実」と語っており、
“アフォーダブル”という言葉に対する疑問も投げかけられました。

それでもプロジェクトは前進。
その理由は、オアフ島では住宅供給が約18,700戸不足しているという現実にあります。

ホノルル市議会は「今、教師や消防士、銀行員など“地元の働く人”が住める家をつくる必要がある」とし、
反対の声もある中で、クイレイ・プレイスを承認しました。

なお、同プロジェクトはハワイ州の特別法「201H」に基づいており、
一定の割合以上のアフォーダブル住宅を含むことで、高さ制限や密度制限の緩和が認められています。

クイレイ・プレイスのような案件は、ハワイの住宅市場の“リアル”を示す好例です。

高層マンション=高級層向けとは限らない
開発と地域住民の共存には課題が多い
アフォーダブルという言葉にも“定義”がある(AMI基準)
地元労働者向け住居は今後もニーズ増
M&Aでも「地域コミュニティへの配慮」が評価軸になる

特にモイリイリ地区は、ワイキキやアラモアナにも近く、今後さらに注目が高まるエリア。
商業施設や飲食店、小規模ホテルの買収を検討している方にとっては、要注目です。

クイレイ・プレイスは、単なる不動産開発ではなく、“誰のための再開発か”という問いが投げかけられているプロジェクトです。

今後、ハワイ投資やハワイM&Aを検討する際には、経済性と社会的インパクトの両面を見極めることが求められるでしょう。

私たち『ハワイビジネス情報館』では、こうしたプロジェクトの裏側も含め、
皆さまの投資判断に役立つ情報をお届けしています。