【注目の動き】ハワイ州議会が進める“グリーン料金”法案とは?自然保護と観光のバランスを取る新たな挑戦

自然環境が観光によって“削られている”ことに、
私たちはどれくらい気づいているでしょうか?

アロハ!
ハワイを訪れるたびに感じる、あの圧倒的な自然の美しさ。
でも、その自然環境が観光によって“削られている”ことに、私たちはどれくらい気づいているでしょうか?

今、ハワイ州議会では、観光客が自然保護に直接貢献する新たな制度、通称「グリーン料金(Green Fees)」の導入が本格的に検討されています。

今回は、その中身や背景、そして富裕層観光客としてどう向き合うべきかを、わかりやすくお届けします!


これは、州立公園やトレイルなど指定された自然エリアの利用に対し、観光客に追加料金を課すというもの。

この制度を定める**上院法案439号(SB439)**は、2025年3月にハワイ州下院の「観光委員会」と「水・土地委員会」で承認され、法制化に向けて動き出しています。

現状、州内で駐車・入園料を課している公園は10カ所ありますが、今回の法案により、さらに選定されたエリアに拡大され、物価に応じた価格改定や季節変動料金の導入も可能に。


この制度で集まるグリーン料金は、「州立公園特別基金」へと振り分けられ、以下の目的に使われる予定です:

  • 自然環境の保全・修復
  • インフラ整備(遊歩道、トイレなど)
  • 地元住民や先住ハワイアンの文化的権利保護
  • オーバーツーリズム対策

つまり、「楽しむ」だけでなく、「守る」ことにも私たちが関われる仕組みなんです。


今回の法案には、季節に応じて利用料を変動させる権限をDLNR(ハワイ州土地・天然資源局)に付与する修正も加えられました。

たとえば:

  • 夏のピーク時は少し高めに
  • オフシーズンは低めに設定
  • 混雑の分散と環境負荷の軽減を狙う

この考え方は、航空券やホテル料金と同じですね!


支援団体「Coalition Earth」によると、現在ハワイ州が1人の観光客あたりに使っている自然保全費は約$9

対して他の国では…

  • パラオ:$92
  • ニュージーランド:$188
  • ガラパゴス諸島:$373!

つまり、「ハワイは観光客から十分な自然保全コストを回収できていない」のが現実。

グリーン料金導入は、こうしたギャップを埋める取り組みとして注目されています。


◎ 賛成意見(環境団体・先住ハワイアン支援団体)

  • 「この制度はハワイの自然と文化を守る手段」
  • 「伝統的な先住民の生活・宗教・文化的権利にも寄与する」
  • 「今こそ観光業からの還元が必要」

△ 懸念の声(在外先住ハワイアン)

ネイティブハワイアンのキャット・オーランズ氏は、

「アメリカ本土に住む私の家族が祖先の土地にアクセスするたびに“料金”を払うことになるのは不合理」

と指摘。ネイティブハワイアンへの免除規定が明記されていないことが問題視されています。


グリーン料金は決してハワイ独自のアイデアではありません。

  • ニュージーランド、モルディブ、ベネチア、カンクンなど世界中の観光地がすでに導入済み
  • 宿泊ごとに1ドル〜、または入島料として100ドルという国も
  • 環境意識の高い観光客にはむしろ歓迎される傾向も

ハワイは**“遅れている側”**とも言えます。


もしあなたがハワイを愛するリピーターなら、こう考えてみてください。

そう考えると、**この制度は“負担”ではなく“投資”**なのかもしれません。


ハワイ州が進める「グリーン料金」制度は、観光と自然保全、そして文化継承のバランスをとるための重要な一歩。

旅行者にとっては、ちょっとした支出の増加かもしれません。
でもその先には、より美しく持続可能なハワイが待っているはず。

「また来たい」ハワイであってほしいからこそ、私たちもこの変化を歓迎していきたいですね。