アラスカ航空、ハワイアン航空を買収 2700億円で
⽶航空
2023/12/4 7:15 (2023/12/5 9:20更新) ⽇本経済新聞 電⼦版
本拠地の⽶⻄部シアトルの空港に駐機するアラスカ航空機=AP
【ニューヨーク=朝⽥賢治】⽶航空5位のアラスカ航空は3⽇、同10位で経営不振が続いていたハワイアン航空を19億ドル(約2700億円)で買収すると発表した。両社は⽶⻄海岸や太平洋を中⼼に路線網を展開している。統合により国内外との乗り継ぎの利便性を⾼め、市場シェアの8割を占める⼤⼿4社に対抗する。
アラスカ航空がハワイアン航空の株式を1株あたり現⾦18ドルで取得する。ハワイアン航空は新型コロナウイルスの流⾏収束後も、本拠地ハワイへの外国からの観光客回復が遅れている。英LSEGによると、2023年7〜9⽉期まで8四半期連続で最終⾚字だった。
計画では営業や運航などの事業は統合する⼀⽅で、両航空会社のブランド名は維持する。統合により、保有機材数は365機、就航都市数は138カ所に増える。アラスカ航空は、ネットワークの拡充で顧客の利便性が向上し、2年以内に2億3500万ドルの利益増につながるとしている。
アラスカ航空は⽇本航空などが加盟する航空連合「ワンワールド」に参加している。ハワイアン航空は⽻⽥、成⽥、関⻄、福岡にも直⾏路線を運航している。⽶航空業界は、デルタ航空など⼤⼿4社を中⼼とした競争が激しい。⽶運輸統計局によると、国内線の有償旅客距離ベースのシェアは、アラスカ航空が6.4%、ハワイアン航空が1.8%。 統合しても4位のユナイテッド航空(16%)の半分程度で、アラスカ航空の5位の位置に変化はない。
ただ、⽶政府は⼤⼿企業同⼠のM&A(合併・買収)の審査を厳格化する⽅針をとっている。 5⽉には、⽶連邦地⽅裁判所が2位のアメリカン航空と6位の格安航空会社ジェットブルーとの共同事業に解消命令を出しており、今回の統合も計画通りに進展するかは不透明な部分もある。